最近、LOOK 765 Gravel RSを記事で紹介したのですが、その時に見つけたYouTube動画に気になるコメントが寄せられているのを目にしました。
このプロモーション動画です。
フランスの方がこんなコメントを残しています。
この新しいグラベルに乗るには「あごひげ」と「タトゥー」がないといけないのかい?
さらに英語圏の方もこんなことを書いています。
私はLOOKのロードバイクを持っている。でもこんなにたくさんタトゥーは入っていない。私もこのグラベルバイクを買ってもいいのだろうか?
Lookが最も低い共通分母(the lowest common denominator)に好みを合わせてくるとは思わなかった。オフロードで自転車に乗るにはあごひげとタトゥーが必須で、とんがった見た目じゃないといけないわけか…
読んで「なるほどなー」と思いました。というのも、上のLookの動画を見た時に、どこかで見たことのある雰囲気だな、と思ったからです。何だったっけ?
少し前に紹介したPinarello Grevil+ / Grevilのオフィシャル動画、これでした。
同じモデルさんではないと思いますが、モフモフのあごひげと気合いの入ったタトゥーが共通です。
4つの記号的表現
これらの動画に限らず、グラベルロード関連のインスタ投稿などを見ていると確かに「グラベルバイカーのファッション」がクリシェ、紋切り型になってきていて、記号化が進んでいるなという印象を受けます。
- あごひげ(というか、あごひげってレベルじゃねーぞっていうくらい顔から毛を生やしまくる)
- タトゥー
- キャップ
- ビール
の4つが頻出するような気がします。「あごひげ」と「タトゥー」は「自由人」とか「ワイルドネス」の象徴みたいな感じでしょうか。MTB由来のカルチャーとレーパン・ジャージのカルチャーが融合した感じで不思議な雰囲気です。急激に不良化したRaphaおじさん、という感じでしょうか(笑)。
LOOK 765 Gravel RSの動画にもビールで乾杯しているシーンがありましたね。
下のインスタ投稿はサーベロ・アスペロとビールの組み合わせ(”Twisted Sister Apple Cider”とありますが、オーストラリアのビールのようです)。
日本ではこのレベルのあごひげもタトゥーも一般的ではないですし、ライドが終わっていようがアルコールとバイクを一緒に写真に収めるだけで総バッシングされるような世界なので、グラベルバイカーのファッションがこの方向に向かうことはたぶんないと思いますが、西欧でのこの傾向には興味深いものがあります。
MTBやかつてのピスト、MASH系カルチャーともまた別の、独特の「グラベルファッション」。個人的に抵抗感はないですし、先のコメントにあった「最も低い共通分母(the lowest common denominator)」は言いすぎかなとも思いましたが(笑)、「グラベル=エッジーなワル」というイメージに限定されるのももったいない気もします。
こちらはJamis RenegadeのPR動画。同じグラベルでもグラインデューロ系とは違ってバイクパッキング系はエッジーなところは少なく、健康的なイメージです。
だが、おわかりいただけただろうか。
上の動画の男性もあごひげを生やしていることを…
ロードバイク乗りは鼻から下の毛を全部脱毛したいと思っている方も少なくないようですが、グラベルバイカー(英語では”Grodie”という呼び方もある)は逆の方向に向かっているようですw