2020年を彩る世界最大のイベント、東京五輪。数多い公式記念グッズの一つに「記念硬貨」があります。
組み手をする柔道家、水しぶきをあげる競泳選手…などの競技シーンや、「風神雷神図」といった日本の伝統絵画を描いた特別な硬貨が、おととし以降発行が始まっています。
その一つ「自転車競技」の百円玉が、1月28日から全国の金融機関で交換できるようになりました。
入手方法、ディスプレイ用の別売りグッズ、実際にお金として使えるの?といった点について紹介していきます。
手数料ゼロの等価交換
記念硬貨は全4回に分け、計37種類が発行されます。
全ての情報は財務省ウェブサイトに掲載されていますが、多岐にわたるので要点を抜粋していきます。
参考 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会記念貨幣 : 財務省
「自転車競技」は第3次発行分の百円玉の一つです。「アーチェリー」「カヌー」「(パラリンピック)アーチェリー」「(パラ)陸上」と同時発行。
銀行、信金、農協など各種金融機関の窓口で、通常の百円玉を記念硬貨の百円玉と等価交換できます。手数料ゼロ。無論、千円札で記念硬貨10枚と交換することも、もちろんOK。
ただし交換は1人10枚までです。同じ競技は2枚までという縛りもあるので「自転車競技を10枚」はNG。
私はみずほ銀行の某支店で行員さんに「記念硬貨の交換で」と伝え、窓口で千円札を出したら、袋に入れられた5競技2枚ずつのセットとすぐさま替えてもらえました。申込用紙の記入などは不要で、極めてスピーディー。
逆に言うと、金融機関をはしごすればいくらでも上限を超えて調達できるとも言えます。ただ、記念硬貨の中で百円玉は1種ごとに約400万枚も発行されるそうなので、将来プレミアムがつくとも思えません。転売屋のようなマネをするのはやめましょう。
ちなみに額面と等価交換なのは百円玉と五百円玉だけで、1万円金貨(図柄は「聖火ランナー」など)は約12万円、千円銀貨(「体操」など)は約9500円で、造幣局からの通信販売で頒布されます。額面と価格の差がデカい。。。
全37種類のコンプリートセットは税込69万円で販売数量1千個、4月下旬ごろから申込受付開始です。私は買えないが見てみたいものだ…。
ぶっちゃけ、ゲーセンのメダルに似てる
で、入手した記念硬貨がこれです。
第一印象は「ゲーセンのメダルみたいで安っぽい」。…すいません、ぶっちゃけすぎました。でもせめて五百円玉にしてほしかったなー、自転車競技。
ところでこれまで「自転車競技」と記述してきましたが、図柄をみるにロードでもBMXでもマウンテンでもなく、トラックのようですね。ライダーはバイザー付きのエアロヘルメットを着用していて、車体にはブレーキがないので。
日本は競輪文化だし、(自転車競技の中ではトラックは)メダル期待値が高いことからも、そう思われます。
んー。新競技のBMXでよかったんじゃないかなー(個人の感想)。
というか他競技の記念硬貨の図柄をみていて気付いたのですが、千円銀貨に採用されている競技は「レスリング」「体操」「柔道」「卓球」「車いすテニス」など。
いずれも過去にメダル獲得歴があるか、今大会での獲得期待値が高い競技となっています。メダル至上主義がこんな所にも(メダル獲ってくれれば、そりゃもちろんうれしいですけど)。
収納ケース、買う?
どんなイケメンも全裸では台無しなのと同じで、コインや切手はケースに入れてこそコレクションとして栄えます。
上述した69万円のフルセットなら最初からケース入りだと思いますが、「んなもん買えるか!!」なアナタ(とワタシ)にオススメの公式収納ケースが販売されています。
オリンピックverとパラverがあり、二つそろえると記念硬貨の百円玉(20種)、五百円玉(2種)をきれいにコンプリート収納できます。お値段も各1300円と手頃。造幣局オンラインショップで通販できます。
参考 造幣局オンラインショップ
直接造幣局に行って売店で買うこともできます。造幣局の本局は大阪ですが、さいたま市大宮区にも支局があります。博物館も併設され、硬貨以外に勲章(紫綬褒章とかのアレ)も眺められ、かなりの壮観です。入場料は無料ですから、首都圏在住の方はポタリングがてらいかがでしょうか。
ただ、記念硬貨の過去発行分を今から入手するのは困難です。これからケースを買ってコレクションを始めても、中身スカスカになるという悲劇が待ってますが…。
コイン1つだけ飾りたい、という方に向けたケースもあります。「コインケース コレクション」で検索するといろいろ出てくるのでお気に召すものをどうぞ。
ピッタリ合うサイズを探すには「外径」「内径」「厚み」を調べる必要があります。詳しくは大手コインショップ「泰星コイン」さんの解説サイトをご参照ください。
しかしコイン1個用のコレクターケースの価格って、たいてい千円超えるので、「百円玉を飾るために千円払うのか…」という葛藤も生じるかも。でも放置すると錆びちゃいますからね…。
使ってみた
この記念硬貨、普通の百円玉と材質やサイズ、重さは同じと思われます。図柄以外の違いは、側面の溝(ギザ)が普通のは縦ですが、記念硬貨は斜め…ということくらいです。
ならば実際に使ってみたらどうなるのか!?
とりあえず自販機にイン!
ポチーン(釣り銭口からそのまんま排出される音)
…あ、うん。やっぱね。
複数の自販機で何回か試しましたがダメでした。硬貨として認識されません。たぶん重さ・材質・サイズ以外に、本物と偽物(記念硬貨は偽物じゃありませんが)を識別する要素があるのでしょう。
コンビニの支払いにも使ってみましたが、近年のレジは自販機と同じく硬貨を自動識別します。すなわちここでもNG。
というかそもそも、エラーが出て初めて店員さんが「なんかこのコイン変だ」と気付いたようで、
「これは百円玉じゃないですよね?」
「五輪の記念硬貨です」
「へー分かりました」(特にコイン見るわけでなくレジ手打ち)
…この店員さん、私がウソついてたらどうするんだろう?と思いましたが、とりあえず決済成功。
というわけで、思ったよりも硬貨としての実用性は低かったです。自販機や券売機では使えず、有人レジで店員さんに都度「これは記念硬貨です」と説明する必要があるでしょう。
とはいえ繰り返しますが、交換の手数料はゼロ。
とりあえずゲットして、使い道はゆっくり考える方向でみなさんいかがでしょうか。