昨日の記事で、シマノがMavicに取って代わりツール・ド・フランスをはじめとするA.S.O.主催の主要なビッグレースやサイクリングイベントのニュートラルサポートを務めることになり、2021年のツールでは「シマノブルー」のサポートカーが見られることになる、というニュースをお伝えしました。
この件で海外のサイクリストがどのような反応を示しているのかを観察したいと思います。
何事にも終わりがある
Redditより
- Mavicは頑張っていたのに残念だ
- 寂しくなるね
- ある時代の終わりだね。ただ多くのライダーにとっては機材の互換性の面で改善となるだろう
- 素晴らしい思い出をありがとうMavic!何事にも終わりがあるものだ。その上で言うとシマノがこの役割を果たすのを目にするのはワクワクする!
- シマノはいい仕事をしてくれると思う、でもMavicが消えるのは悲しいな… イエローのフレンチブランドがそこにあるのは適切という感じだった。Mavicがバランスの取れたビジネスモデルを見つけて戻ってくるのを期待したい
road.ccより
- Mavicが撤退したのは広範なトラブルが原因だろう、シマノは恐らく資金と、能力と、ニュートラルサポートの経験のある唯一の企業で、ツールのようなハイプロファイルのレースでMavicの代わりを務めうる唯一の候補だと思う
- 些細な変化かもしれないけれど、ツール・ド・フランスの最も長くて象徴的な部分にとって悲しい日だと思う。巨大なMavicロゴのあるあのイエローのクルマやバイクは僕がツールを見始めた70年代からずっとツールの一部だった
- ニュートラルサポートのホイールは12スピードのデュラエースカセットかな?
なぜMavicのかわりにシマノ?
以上、感慨深いコメントの他にも、なぜMavicは撤退したのか、そしてなぜシマノが代わりを務めることになったのかについて考えさせられる内容がありました。
Mavicのニュートラルサポートの質はあまり良くなかった。だから撤退した、という声もわりと見られました。クリス・フルームがMavicによるサポートバイクを拒否して走り出したエピソードを挙げる人が多いのですが、しかしその真相はフルームがSpeedplayのペダルを使っていたからであって、Mavicのサポートが悪かったということにはならないでしょう。
Mavicのニュートラルサポートの撤退の理由は当然ながら経済的な理由で、現在の親会社はMavicを「コアビジネスに集中させる」ことを最優先事項としています。つまりホイールのビジネスで復活させるのが大事。ニュートラルサポートを担当するにあたってはA.S.O.に大金を払う必要があり、用意する機材や人員にもコストがかかります。現在のMavicにその余力はない、ということでしょう。
一方でシマノがなぜMavicの代わりを務めることになったか。シマノ100周年、新型の12スピードデュラエースの登場、これらの要素を合わせると、ツール・ド・フランスでシマノブルーのサポートカーを走らせることには莫大な広告価値があるでしょう。しかもMavicは経営立て直し中なので引き下がってくれる。シマノにとって様々な好条件が揃ったと言っていいでしょう。
ニュートラルサポート経験のあるSRAMやVittoriaなどは名乗りを上げなかったのか、という声もありますが、もし入札的なものがあったとしてもシマノとしてはこの絶好の機会を譲るわけには行かなかったでしょう。
黄色いマヴィックカーが今年は見られないのは確かに寂しいですが、12スピード・デュラエースのニュートラルバイクを積んだ青いシマノカーが、暗く長いトンネルを抜けた先に広がる青空のように私達に希望を与えてくれるものになってくれることを期待したいですね。