着々と存在感を増している中華ウェアブランド・Morethan(モーゼン)の低価格冬用サイクルジャケット「WVP-008」を試しているので、初期使用感を書いてみます。メーカー的には0℃帯対応を謳っているモデルですが、果たして厳冬期でも使えるのでしょうか?
品質は非常に良い
まず外観とスペックから。前面は防風素材、サイドと背面は少しだけストレッチ性のある素材ですが、全体的にしっかり感があります。
裏ポケットは当然3つ。両脇にある”LOVE CYCLING”と書かれたタブは反射素材になっています。
よく見るとサイドパネルにはオシャレな格子模様があります。この部分の素材は背面と同じものに思えるので、あえてここにデザインを入れてきたところは好感が持てます。実勢価格5000円前後の真冬用ジャケットと考えると丁寧な作りです。
ジッパーは両開きで体温調節に便利。YKK製ではないですが、初期状態では特にひっかかりも感じず動きも良好です。
先日レビューした秋冬用メンズジャージFVP-016同様、縫製にもほつれなどは全く見られず、手抜きのない仕上がりです。パールイズミの類似ラインナップの半額かそれ以下ですが、品質は肉迫している感じです。中華ウェアの標準品質の向上具合には素直に驚かされます。
暖かさ・着心地ともに合格
裏地は立派なフリースで、いまのところこれを着て走った最低気温は6℃。オールシーズンの薄手の長袖インナーでも寒さを感じずに行けました。しかし身頃は暖かいものの両腕は少しひんやりしたので、厳冬期は冬用インナーとの併用がベター。0℃環境ではまだ乗っていませんが、インナー次第ではありでしょう。風のある日なら同社のサイクルベストWVP-020と組み合われば余裕のはず。
首周りの防寒性も良好。袖口は薄いですが、良い具合に絞られているので向かい風でも風の侵入は感じません。基本性能に大きい欠点は感じられません。
一番好感が持てるのはロードバイクでの前傾姿勢でも「こわばり」や突っ張りを感じないところ。防風性が高くともシェルがゴワゴワしていると気分が萎えますが、これはそういうストレスがなくライドに集中できます。着心地、合格。
サイズ選びは要注意
サイズの選び方はやや注意が必要かもしれません。筆者は同社の秋冬用ジャージFVP-016のMサイズを着ていますが、この冬用ジャケットWVP-008はSサイズを買いました。
しかしこの冬用ジャケットのSは、秋冬用ジャージのMサイズと同等か少しゆったり目、という感じです(上の写真でも余裕があるのがわかると思います)。よほどインナーが厚めでない限り、ワンサイズ下を狙うのが良いかもしれません。
耐久性については未知数なので満点は保留するとしても、基本的な品質や性能に不満の感じられない冬用ジャケットです。5000円なら全然アリな選択肢ではないかと思います。
惜しむらくはカラーバリエーションが少ないところ。現時点で選べるカラーはダークブルーとブラックの2色のみ。個人的には同社の秋冬用ジャージのようにティールグリーンなどが選べたら嬉しい。また、小柄で痩せ型の方向けにXSサイズも用意してもらえるとありがたいところです。