過去20年ほどのトレンドだと思いますが、ロードバイクをはじめとするスポーツバイクのフレーム塗装はおとなしめの単色系が増えたと思います。仕上げもグロス(艶あり)ではなくマット系のものが増えました。グラベル・アドベンチャーバイクの流行も関係しているでしょうか。下のCinelli Zydeco(ベラチスポーツ)などは、こうした状況の中でも珍しいカラーリングかと思います。
こうした「自転車の単色化」について、海外掲示板Redditで議論が見られたので紹介します。
出典 What’s your unpopular cycling opinion? – Reddit
グレーやブラックは少なくとも拒否されないから?
次のように、より派手で、カラフルなペイントを懐かしむ声が多く見られます。
- モノクローム(単色)の自転車が多すぎる。もっと多くの色を使おう、90年代の過激な色使いだっていい
- 新モデルにはもっと楽しいカラーがあると良いというのは同意だ
- 本当にそのとおりだ、自転車はクレイジーなペイントでないと。目立てば目立つほど良い、というのが僕の意見だ
- マットブラックやリセールバリューの高いグレーが本当に多くて、環境に溶け込んでしまう。それでいて安全の話をするのだから、笑ってしまうよ
- (上の人に)怪我をしない権利はどんな色の自転車に乗る人も持っているぞ
- (上の人に)確かにその通りではあるのだが、個人が(安全について)ある程度の責任を負う必要はある。狩猟の時期に、毛皮や全身茶色の服で森の中に入っていこうとは思わないだろう。そうするのは完全に合法だけれども
- 女性用バイクのカラーはいつもワクワクするね。男性用バイクも、いつものブラックやシルバー、ブルーではないものになってくれたら良いのだが
- 私は90年代に育ったので、ネオン・フェィドやスプラッター、どぎついカラーが懐かしく思う
- (モノクロームな自転車が多いのは)無難な選択肢だからだと思う、派手でカラフルなものは、愛されることもあれば嫌われることもある、一方でグレーやブラックだと、ほとんどの人は少なくとも不快には思わないんだ。残念なことではある
- カラフルなバイクは安全性が高い。蛍光ピンクやロードコーン・オレンジのバイクだと、カモフラージュ・グリーンやステルス・ブラックよりも速い人に見えるよ
- つや消し塗装以外に、少なくとも「派手な」オプションを用意してほしい。どちらかに限定する必要はない
個人的にはロードバイクに乗りはじめた頃、様々なカラーを多用したロードバイクは「うおーカッコいい!」と憧れる反面、「俺みたいな貧脚があれに乗っていいのか…」と尻込みしてしまったこともあり、私自身「無難な」単色系や、多くても2〜3色のペイントを選ぶ傾向がありました(勿論、気に入れば何に乗っても良いのは当然です)。
▼ ロードバイクらしいカラフルなカラーで憧れたブランドといえば、私の場合はコルナゴをまず思い出します。皆さんはどうでしょうか
しかし最近は確かに「ダークかつマット」以外のカラー選択肢が激減している印象はあり、それまた寂しいと思うのも事実。ロードバイクについてはプロチームのスポンサーロゴが入ったものも、たまにスペシャル・エディションとして出される程度で、だいぶ減りましたよね。
安全性に関する議論も興味深いものがあります。自転車の場合は、バイクが大人しめのカラーでもウェアを明るい色にすれば目立つことはできますけれども。結論としては「ダークかつマットな自転車」と「気分が上がるカラフルな自転車」両方を所有する、のが正解でしょうか(違うか)。
カラフルなロードバイクは絶滅危惧種?
気になったのは「消極的選択」や「リセールバリュー」の話。メーカーにとってはモノクロームなカラーリングのほうが恐らく「売れ残り」は少ないでしょうし、中古市場でもカラフルなものよりグレー・ブラック・ホワイトのような単色が有利なのでしょう(これはクルマの中古車でもよく言われますね)。好きだから、ではなく無難だからその色を選ぶとしたら、少し寂しいかも。
しかし慢性的なモノ不足であり、かつマーケットも縮小しているのなら、より多くのカラーリングを標準オプションで用意するのは現在どのメーカーにとっても簡単なことではないでしょう。良い意味で派手でカラフルなロードバイクは、コロナ前から既に減っていたようにも思いますが、これからますます絶滅危惧種になっていくような気もします。
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