WahooがZwiftによる特許侵害を訴えていた裁判で、Zwift Hubの販売一時差し止めを求める請求が4月11日に却下されたことがわかりました。DC Rainmakerが伝えています。
出典 Wahoo’s Injunction Request Against Zwift Hub Denied By Judge
- 判事はWahooによるZwift Hubスマートトレーナー販売差し止め請求を却下した
- このスマートトレーナーは両社間で係争となっており、WahooはKICKRトレーナーの基礎となっている既存特許をZwift Hubが侵害していると訴えていた
- Zwiftは特許侵害について同意しておらず、昨年10月、Zwift Hubが公式販売された同日にWahooが提訴していた
- Wahooは、JetBlack(Zwift Hubの元となったトレーナーの開発会社)とは昨年12月に和解していた
- Wahooは11月16日にZwift Hubの販売差し止め仮処分請求を行っていた
- 勿論今回の却下は判事の意見であり、裁判の最終的な判決ではまだない
- 裁判の最終的な結論は2025年3月になる見込み(あと2年かかる)
- Wahooがこの裁判で勝てるかどうかとは無関係に、同社が(Zwift Hubのような)新しい低価格製品と競合する手段を見つけなくてはならないという現実は変わらない
- Wahooは法廷でも、自社の製品群はプレミアム価格の製品を中心に構成されており、Zwift Hubが同社の販売に劇的な打撃を与えていると主張していた
- Wahooは599ドルのKICKR COREを生産する方法を見つけなくてはならないだろう
Wahooについては今月初旬、別の気になるニュースを見かけていました。下の記事でお伝えしましたが、Wahooは今年の1月に格付け会社のS&Pグローバル・レーティングから評価を「CCC」から「CCC-」に下げられていました。
それが今月初旬になってCycling Weekly等海外メディアが、S&PはWahooの評価を「CCC-」から「D」へとさらに格下げしたと報じました。この「D」評価はS&Pによると「債務不履行・契約違反または破産が申請された時」に出る評価とのことで、海外サイクリストのあいだでもWahooの経営状態を心配する声が上がっていました。
Wahooがすぐに倒産してしまうというわけではないでしょうし、最悪の場合でも買収などのかたちでブランドは残るとは思いますが、キャッシュが不足している状態らしいので今回の販売差し止め請求却下はWahooにとってかなり痛手になりそうです。
Wahoo製品(KICKRやTICKRの一部)は不具合・不良発生率が高いという印象は受けますが、カスタマサポートの対応は迅速かつ満足の行くもので、海外掲示板を眺めていてもWahooを応援する・再起に期待する声が多く見られます。私もKICKRを愛用しており、良いものだと思いますし、サイコンのELEMNT BOLTも使いやすさや処理速度の速さでは定評があります。
客観的に見ると自力での再建は相当難易度が高い状況に追い込まれているようにも見えますが、なんとか持ちこたえてほしいですね。