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茨城のサイクリングリゾート・プレイアトレ土浦が成功するために必要なものとは

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「日本最大級のサイクリングリゾート」を目指しているらしいプレイアトレ土浦。茨城県のJR土浦駅の駅ビルです。現在は下の写真のように1FとB1Fのみ機能していますが、4〜5月にかけて2・3Fに待望のレストラン街ができるようです。いまから楽しみにしています。

茨城のサイクリングリゾート・プレイアトレ土浦が成功するために必要なものとは

さらに来年2020年の春以降には上の階にホテルができるようです。これも楽しみにしています。

茨城のサイクリングリゾート・プレイアトレ土浦が成功するために必要なものとは

私は今年になってはじめて「つくば霞ヶ浦りんりんロード」を走りました。すごくいい土地で、すっかり茨城県のファンになって帰ってきました。下の2つの記事で大量の写真とともに紹介しているので「霞ヶ浦ってどんなところだろう」という方、是非お読みください。

つくば霞ヶ浦りんりんロードを走る JR土浦〜岩瀬駅往復編
つくば霞ヶ浦りんりんロード。それは北関東・茨城県が誇る全長180kmにも及ぶサイクリングコースである。今回はその一部であるJR土浦〜岩瀬駅(筑波山エリア)を走ったので紹介してみたい。 全長約40.1kmのこの区間は、かつて「つくばりんりんロ...
つくば霞ヶ浦りんりんロードを走る 霞ヶ浦一周編
つくば霞ヶ浦りんりんロード。それは北関東・茨城県が誇る全長180kmにも及ぶ長大なスケールのサイクリングコース。今回はそのメインパートとも言える「霞ヶ浦一周」を走ったので紹介してみたい。

これらの道を走って以来、「茨城」は私の中で「いばらぎ」から「いばらき」に変わりました。もう間違えない。日常会話で「いばらぎに…」などという言葉を耳にすると「違う、いばらきだ」と軽く注意したくなるほどです。

プレイアトレ土浦にはこんな立派な自転車屋さんがあります。ル・サイクというチェーン店ですが、プレイアトレの中のル・サイクはセレクトショップのような雰囲気で、眺めていてとても良い気分になれます。

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ル・サイクの向かいにはタリーズがあります。コーヒーは重要。ル・サイクは朝10時からのオープンですが、このタリーズは早朝からやっています。ここも雰囲気が良く、店員さんも親切。

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プレイアトレ自体は立派だと思います。全体的な雰囲気もいい感じです。

プレイアトレ土浦は成功するだろうか

4月にはレストラン街もできます。そして来年にはホテルもオープンする。と、個人的にもこの計画には大いに期待しているのですが、このあいだ霞ヶ浦ショートコースを100kmほど走っている時にふと、こう思ったのも事実です。

プレイアトレ土浦、特にホテルは、何か工夫しないと成功しないかもしれないぞ…

と。何故か。「旧りんりんロード」や筑波山エリアのサイクリングだけを楽しむのであれば、日帰りでも十分に楽しめてしまいます。

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でも宿泊を絡めようと思えば、ほとんどのツーリストはやはりカスイチ、つまり「霞ヶ浦一周」の90kmなり140kmなりを走ってみたい、と思うはず。というか、旅行者視点からするとたぶんこっちがメインコンテンツですよね。

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しかし全長90kmの「霞ヶ浦一周ショートコース」を走って思ったのが、このコースはサイクリング初心者にはハードルが高い、ということです。

ホテルを成功させるには初心者層に訴求する必要があると思います。

そしてスポーツサイクル初心者が広大な霞ヶ浦に憧れてやってくるとします。霞ヶ浦を走るとします。道の状態は、素晴らしく良いのです。走りやすい。最高。風景も、単調だけれど広大でいいです。

でも休憩所やトイレや自動販売機の数があまりにも少ない。これは夏場はきついだろうと思いました。特に女性には厳しい環境ではないかとも思いました。ものすごくいいところなんだけど、サイクリング初心者向けインフラをもっと増強すべきと思ったのでした。

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しかも聞くところによると、手ぶらでやってくる観光客向けのレンタサイクルはかなり良い自転車が用意されてはいるものの、パンク修理キットは付属しないとのこと。

参考 土浦市レンタサイクル (CBN Review)

初心者があんなところ20km走った時にパンクしたらどうするんだろう。

うん、そんなに走るユーザーは想定していないのかもしれない。

あるいは20km走って、もう疲れた、引き返そう、という場合はどうなるんだろう。

帰り道は、かなりの頻度で向かい風になる場所だとも思いました。

ちょっと寄り道をしてポタリングを楽しめればいいのだけれど、霞ヶ浦右岸はなんとなくアトラクションに乏しい感じがあり、もし見所があるとしても現状ではサイクリングロード上にそういう「このエリアの見所」のような看板はほとんど見かけなかった。私自身は下のような風景も楽しめるのですが、一般的な嗜好ではないような気もします。

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一方、土浦駅から北に伸びる「旧りんりんロード」は初心者向けインフラという意味ではだいぶ良くて、旧駅舎が休憩所になっていてトイレや自販機もフロアポンプもある。距離も往復80kmとちょうどいい感じ。スポーツサイクル初心者でも楽しめる道だと思った。

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でも「旧りんりんロード」を楽しむだけならホテルに泊まらなくても楽しめてしまうんですよ。特に東京からだと土浦はかなり近いので泊まる理由がなくなります。

というわけでプレイアトレ土浦のホテルを繁盛させたい場合、繰り返しになりますが、やっぱり1日に200kmとか普通に走るガチのサイクリスト以外に、ライトユーザーや初心者を取り込む必要があるのではないか。

しかし現状、あの広大なカスイチコースはライオンが、

さあ、あとは自力で這い上がってくるが良い…健闘を祈る!

と自分の子供を崖から落とすような感じじゃないですかw

短いコースでも90km。40kmしか走れない初心者は20km地点で引き返さないといけない。その場合、向かい風の中をストイックに戻るだけになってしまう。

風景があまり変わり映えしないので、たぶん楽しくないでしょう。私個人は楽しめるのですが、観光客誘致という目線で考えると厳しいものがある。

どんなツーリストに、どんなサイクリストに来てほしいかというのがたぶん明確になっていないのではないか、という気がします。ターゲットユーザーの姿がうまく想像・定義できていないと、こういう事業は失敗するリスクが高まってしまうはず。

サイクリングリゾート・プレイアトレ土浦の成功を祈願する者として、プレイアトレは自治体と相談してもう少し霞ヶ浦周遊コースを「初心者向けに整備」していったほうが良いのではないかと思いました。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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