目立たずスタイリッシュで、なおかつ「いい音」で人気の自転車用ベル、Knog Oi(ノグ・オイ)。このベルには「Oi Luxe」という高級バージョンも存在します。下の記事で以前紹介しました(私はどちらも使っています)。
この「Oi Luxe」は、ベルの打ち子が金属(真鍮)製で、ノーマルOiの樹脂製の打ち子よりも壊れにくいという長所があります。さらに内側にレザーが張られていたりして、まさに贅沢・リュクスな感じなのですが、音色もノーマルOiとはだいぶ違うのです。
音を聴き比べてみよう
OiとOi Luxeの音色を動画に収めてみました。ついでにCATEYEの真鍮製ベルも比較用に撮ってみました。最初はどのベルも音がほぼ完全に消えるまで鳴らしています。その後はOiとOi Luxeを2秒間隔で、さらに1秒間隔で相互に鳴らしてみました。
さてKnog Oi, Oi Luxe, CATEYEの真鍮製ベル。あなたはどの音色がいちばん好みでしょうか?
音程的には、CATEYEのベルがいちばん高い音で、次にノーマルOi、次にOi Luxeという順番だと思います。
素材としてはKnog Oiの共鳴体がアルミで、ハンマーがプラスチック。Oi Luxeは、共鳴体の素材情報がないのですが手元にある個体を見る限り、ノーマルOiと同じアルミだと思います。ただしハンマーが真鍮(ブラス)製。CATEYEのベルは共鳴体が真鍮で、ハンマーがプラスチックです。
- Knog Oi:アルミ+プラスチック
- Knog Oi Luxe:アルミ+真鍮
- CATEYE 真鍮製ベル:真鍮+アルミ
という構成です。
音を目で見てみよう
3つのベルの音色を視覚的に、波形で見てみましょう。これは動画編集ソフトで表示されたオーディオ・スペクトラムですが、倍音成分などではなく単純に音量レベルの推移が表示されているようです。
このスペクトラムからすぐにわかるのは、右側のCATEYEの真鍮製ベルがいちばん音量の減衰が速いということです。最初に大きい音で「キンッ!」と鳴ったあとにわりとすぐにストンと音量が落ちています。
それに比べるとKnog Oi Luxeは高い音量レベルが長い時間、持続していることがわかります。これは、私個人の言語感覚で言うなら「太くてリッチな感じの音」という印象になります。
ノーマルのOiはその中間、というか、Oi Luxeほどの音の太さはないにしても、CATEYEの真鍮製ベルに比べると打撃直後の音量の減衰は相当緩やかです。そのため耳障りな印象を与えない感じになっていると思います。
外観だけでなく、音までデザインされた設計
- 音調や音量、トーンの長さなど、より良い響きを追求
- 聞き取り易くて、なるべく不快にならないサウンドを実現
勿論、こういう音量の時間軸での変化速度に加味して、倍音成分も分析するともっと面白いと思うのですが、このオーディオ波形を眺めるだけでも、「Oi Luxeは音色もノーマルOiとは違う」ことが明らかですよね。
CATEYEのベルは瞬間的な注意喚起力に優れ、Knog Oi系は存在の緩やかな訴求(アピール)に向いている
私個人としては、いちばん好きな音色はやはり「Oi Luxe」です。
しかし自転車用ベルとしては、本当に危険な時にやむなく鳴らさざるをえない局面がある時に、瞬間的な注意喚起力があるのは耳障りな(※)CATEYEの真鍮製ベルかもしれません。
一方でKnog OiやOi luxeは、最初のアタックの後も音量が落ちないので、人混みのノイズの中でも「よく通る、存在感のある音」であり、わりと多くの人の耳に届くタイプなのかもしれない…
…のですが、我が国では自転車のベルは基本的に他人に向けて鳴らしてはいけないものなので、この「優しくてよく通るいい音」も日本ではほぼ活躍する機会のない、なんとももったいない音ということにはなります(笑)。
ちなみにお値段はKnog Oiが¥2,890(本記事執筆時点でのamazon価格)。Oi Luxeが¥5,082から。CATEYEのベルが¥527です。
優しい音は、ひょっとして高い!?
今回、動画に撮って音を聴き比べてみて、どれも特徴があっていい製品だなと思いました。どれも、それぞれみんな良いです。
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