Shimano RevoShift(グリップシフト)の型番「SL-RV400-LN(左用フリクションタイプ・3スピード)」の使用感をお伝えします。この記事には前日譚がありまして、やはりグリップシフトの型番SL-RS35を導入したところ「ブレーキレバーが遠くなる・グリップが太すぎて指の付け根が痛くなる」という問題に直面したため、それを解決すべく買い直してみたのでした。
▼ 前日譚はこちら

▼ 今回ご紹介するSL-RV400-LNはTourney(ターニー)グレードの製品で、右用には8スピード版が用意されている他、左用には私が購入したフリクションタイプ以外にSIS(インデックス)版の「SL-RV400-L」も存在します。いずれも1800mmワイヤーが付属して実勢価格は1300円前後です。
存在感のデカさは隠し切れない
まずは外観から。前回の記事で紹介した型番SL-RS35ほどではないものの、このSL-RV400-LNも存在感が立派です。
斜め後方から見たところです。デカくてユーモラスな感じさえします。モーターサイクルな雰囲気ですね。
こちらは上から見たところ。SL-RS35に比べて外観はだいぶスッキリ大人しくなりました。
ちなみにこのバイクのブレーキレバーはBL-R780Lというアルテグラグレードの製品なのですが、ほんの少しだけ群青っぽくも見える独特なブラックカラーをしているのです。今回購入したシフターのSL-RV400-LNも全く同じ塗料を使っているように見え、色調に統一感が出ました(発色は下の写真がわかりやすいかもしれません)。
エルゴノミクス的には良くなったか
さて、SL-RS35比でブレーキレバーの位置が近くなったかというと… 結論からすると、少し近くはなりました。換えた甲斐がありました。
下の比較写真がわかりやすいと思います。グリップシフトは機構上ある程度の横幅がどうしても出てしまうのか、SL-RS35より「劇的に」狭くなることはなかったのですが、「1cm弱くらい」ブレーキレバーを外側に寄せられるようになりました。ブレーキレバーとそのクランプ付近の傷に注目すると、どのくらい小さくなったかわかるのではと思います。
わずか「1cm弱」でもその効果は劇的で、ブレーキレバーと指の距離がちょうど良くなりました。ロックオン・グリップの外側を握っていても人差し指がストレスなく届きますし、RevoShift側に少しだけ手を寄せれば指2本も余裕。これでグラベルもより安心快適に下れるようになりました。両脚を前後に開いてMKS ALLWAYSの上に立ってかっ飛ばすのが気持ちいい!
またSL-RS35ではバレルが太すぎたせいか、変速を繰り返していると親指と人差し指の付け根が擦れてきて水ぶくれになりそうな感じがあったのですが、SL-RV400-LNは確実にグリップ部が細いので、これならあまり痛くなることはないだろうと思いました。
いまAmazonでSL-RV400-LNの商品説明欄を見たら「手の小さいサイクリストを考慮したエルゴノミックグリップ(SL-RS35と比較して約25%軽いシフト操作)」と書いてありました。なるほど手の小さい方は確かにこちらの製品のほうが使いやすいと思います。
変速性能はどうか
これはフリクションのシフターなので、変速調整のようなものはありません。アジャストバレルもありません(このシフター自体が巨大なアジャストバレルみたいなものなのだから)。
ただ「フリクション」といってもENE CICLOのWレバーのように「ジー!」と滑らかでスムーズな動作をする製品ではなく、幅広ラチェットの「カカカカカ!」というクリックが連続します。
▼ これのような滑らかな動作ではありません
おおむね4〜6クリックでチェーンリング1枚分移動している感じかなと思います。フロントディレイラーの可動域だけしっかり設定されていれば、あとはその範囲内で動かすだけ。チェーン落ちは全くないです。勘で動かして、ほぼストレスなく3枚のチェーンリング間を移動できています。
ややトホホだったのが、オプティカルディスプレイ。「L」と「H」とその中間に横線の表示があるのですが、私の自転車ではチェーンリングがインナーの時に「L」は見えているものの、アウターまで上げてもなぜか「H」が表示されません。ミドルかアウターかは目で見てもわかりません!(何か表示させる設定があるのかもしれないけど。またはこういう仕様か)。
RevoShiftはインデックスタイプのSL-RS35でも変速面での支障は特に感じなかったので、フリクションにこだわりがない方はSIS版のSL-RV400-Lを選んでも良いと思います。ただ、ミドルとアウター間の調整を詰める必要がないのでフリクションはやはり気楽ですね。旧車のレストアや余りもののパーツでおもしろ自転車を組んでみる時などに試してみてはどうでしょうか。