アメアスポーツが傘下のMavicを米国ロサンゼルスに本拠を置く投資ファンド・Regentに売却することが決まり、話題になっています。
売却に関する諸手続きは2019年第2四半期中に完了するそうです。ちなみにアメアスポーツはホイールメーカーのEnveも保有していますが、どう考えてもMavicよりは規模が小さそうなEnveについては売却していません。
売却の理由についてアメアスポーツCEO Heikki Takala氏はプレスリリースでおおむね次のようなことを述べています。
- グループのポートフォリオをより成長が早く、より収益性が高く、よりスケーラブルな方向に向かわせたい
- これまでの事業サイクルの中で、自分たちはMavicのベストの所有者ではないという結論に至った
- Mavicがグループ全体にもたらす売上は約3%にすぎない
- Mavicが持つ企業目標はグループ全体のそれとはかなり異なっており、シナジーもほとんど発生していない
- 伝説的なMavicブランドには強力なポテンシャルがあり、Regent傘下でより生かされることになるだろう
これを読むと普通に解釈できるのは、Mavicが事業を展開している領域(そのほとんどはホイールの製造販売でしょう)はアメアスポーツにとって
- 今後成長が期待できる分野ではない
- あまり儲からない
- 拡張が期待できるビジネスでもない
ということでしょう。サイクリング事業は伸びない…ロードやMTBのホイールを作って売っても儲からない…他のことをやらせようとしてもうまくいかない…
Mavicの企業風土がアメアグループの中では異色すぎた、という感じがあったようにも読めます。グループが目指す方向にうまくアジャストしてくれそうにもない、という判断もあったのでしょうか。
ところでMavicよりも事業規模が小さいと思われるEnveは売らなかったわけですよね。それはなぜでしょう。推測できるのは次の2つでしょうか。
- Enveは事業規模が小さくとも収益性が非常に高いビジネスモデルで今後の成長にも期待できるとアメアスポーツは考えている
- あるいはMavic同様に切ってしまいたいが、買い手がみつからない
ところでアメアスポーツ自体もいままさに中国のスポーツシューズ大手Antaが率いる投資グループによって買収されつつあります。そちらが現在どんなプロセスなのかはわかりませんが、より良い条件で身売りするために不採算部門を切っている最中なのだろうか、と考えたりもします。
ロシニョール・グループが再構築を勧めているTIMEもそうですが、大手外資に買われていった西欧の老舗ブランドはどれも先行きが明るそうには見えません。
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