こんにちは。倉田亜…すみません、すみません、などかずです。
XOSS社のGPSサイコン、「XOSS G+」。スマホ連携機能を持ったGPSサイコンなのに、税込み2,950円(執筆当時、Amazon)という、ありえない価格の一品です。
主にTwitterで見ているだけですが、まだ荒削りな部分は多いものの、データが消えるとか動作が超不安定とか、致命的に駄目だという話は全然目にしません。
それでこの値段なら、試しに買ってみても…いい…ですよね?
というわけで思わずポチってしまったのですが「地雷箇所がこの辺にある」という、マスターさんのCBN Blog記事を斜め読みした程度の生半可な知識だけを得ている状態で、マニュアル無しに使えるところまで辿り着けるか、試してみました。
開封〜充電
パッケージは、同社のケイデンス/スピードセンサー同様のブリスターパック。テープ留めだけなので、ハサミは不要でした。
充電端子は、極々一般的なMicro USB。開封から充電を開始するまでに、迷ったり戸惑ったりする人はいないでしょう。
アプリダウンロード〜アカウント取得
本体の物理スイッチは、2カ所だけ。少なーい!これじゃあ設定項目を選んで、値を変更して、決定/キャンセルする、という動作をさせるためには数が足りなすぎじゃないですか?
▼本体スイッチは2カ所しかない。
と、心配になるところですが、本機は面倒な設定はスマートフォンアプリから行うようになってるんですよね。ここは予習済みでしたので、戸惑いません。
というわけで、まずはスマートフォンアプリをダウンロード。パッケージのQRコード(※QRコードは、(株)デンソーウェーブの登録商標です。と、真面目に記載)からでも、App Storeで「XOSS」と検索しても、容易にたどり着けるででしょう。Androidの場合は…ググってください!
で、まずはXOSSのアカウントを取得しますが、ここでつまずきました。
アカウント取得には、まずユーザ名とメールアドレスを入力して、「Send Code」をタップ。6桁のコードがメールで送られてくるので、それを入力する必要があります。
▼こんなメールが届く
と、ここまでは良かったのですが、ここに最初の罠がありました。このコード、時間制限があるみたいで、それが「60秒だけ」っぽいんですよね。
わたくしコード発行の直後に、とあるリズムゲームのAP回復通知が表示されたので、アプリを切り替えて合宿3回をサクサクっとこなしてから(もちろん、ロクなひらめきスキルが獲得できなかったのは言うまでもありません)アカウント取得画面に復帰したのですが、いくらメールで送られたコードを入力して「Sign up」をタップしても、いっこうに画面が先に進まないので頭を抱えました。コードの有効時間制限に気付くまで、10分近い時間を無駄にしています。アホだ…。
▼Verifyボタンに記載されてた数値が、1秒ごとに減っていく。
有効なコードを入れないと、「Sign up」がアクティブにならない仕様にしてくれていれば悩まなかったのに…。と、自分の無見識を棚に上げまくっていることから目を逸らして、アプリの仕様について文句を垂れる恥ずかしい老害と化しました。
接続〜設定
アカウントが無事取得できたので、本体の電源をオン。続いてスマホのアプリでログインして、本体とスマホアプリを接続させます。左上の顔アイコン→XOSS G→CONNECT→検出されたXOSS G+のIDを順にタップして進んでいくと、画面に緑色の「CONNECTED」が表示されてあっさり接続完了です。
▼あっさり接続完了
SETTINGの画面でいろいろ設定をしていくのですが、まあココも迷いません。タイムゾーンもスマホの設定に合わせるかを聞いてくれるので、GMTとJSTの差って何時間だったっけ…?と、ググる必要も無しです。ここは素晴らしい親切設計!
▼タイムゾーン設定は親切設計
センサー接続〜走行開始
センサーとサイコン本体との接続は、スマホアプリの画面に該当項目がありません。どうやらサイコン本体での、直接操作になるようです。とはいえ、本体のスイッチは2つ。左は記録開始・停止。右は電源オンオフと、画面表示の切り替え。センサーとの接続設定画面に入るようなスイッチは、見当たりません。
となると、残るは「同時押し」ですよね。やってみると、ビンゴ。ケイデンス、スピード、心拍の各センサーが、ビープ音と共にサクサクサクっと接続されました。無茶苦茶スムーズで、ストレス皆無。
初期設定とセンサー接続が無事に終わったので、さっそく近所の鶴見川サイクリングロードをダラダラと走ります。
▼陽が落ちるの早過ぎ。
第一印象は「普通」の一言。それ以上でも以下でもありませんでした。
ケイデンスやスピードの変化に対する数値の追従に、違和感は全然無し。停止したら速度表示が0km/hになって自動停止して、それにとんでもない遅延があったりはしません。走り始めたら、即座にビープ音と共に再び記録が開始されます。
一連の挙動も、画面の見やすさも、すべてが普通。特筆すべき点はないものの、不満も全然ありません。
右ボタンを押すと順に画面が切り替わって、第一画面はスピード、心拍、ケイデンス、経過時間と走行距離。第二画面は平均速度、平均心拍、平均ケイデンス、獲得標高、斜度。第三画面は最高速度、最大心拍、最大ケイデンス、現在時刻、積算距離。が表示されます。
この画面表示の項目が完全固定なのは、マスターさんの記事で知っていました。が、個人的には
第一画面に「斜度」の表示が必須だろ!!!!
と、思わずにはいられません。
自分、何度も申し上げている通り、坂がダメなサイクリストです(平坦がダメじゃないとは言ってない…涙)。登り坂では、常に瀕死状態。全身の力を振り絞って、ペダルを踏んでなんとかハンドルにしがみ付いて登坂しています。そんなときに、サイコンのボタンを押して画面を切り替えるなんて無理ゲーにも程があるというものです。
ここだけは変更を強く強く強く要望したいですが、値段を考えたら何も言えません。
というか、ここまでちゃんと普通に動くことの方が、むしろ凄くないですか?自動停止・再開のときだって、ちゃんとGarminっぽい挙動をしやがりますよ!3,000円のサイコンなのに!!
▼サイズ感の比較。左からiPhone4s(やっぱりiPhoneは4sが最高です…今の技術でこのサイズのiPhone作って!!)、Xplova X5 EVO、Garmin Edge530、XOSS G+。
データダウンロード〜Strava連携
ココに地雷があることは認識していましたが、ちゃんと手順を覚えていなかったので案の定ドツボりました。マスターさんの情報を参照するまで、もう完全にお手上げです。マニュアル無しでここまで進めてきましたが、Stravaとの自動連携は無理でした。
スマホアプリに接続して、まっ先にデータをダウンロードしちゃダメ。まずはStravaとアカウント連携の操作をしてから、データをダウンロードする。そうすれば、Stravaへ自動的に走行データがアップロードされます。
ものの数行で収まる手順ですが、実際に体験してみると、よくもまぁ、ここに地雷が埋まっているのを発見できたものだなぁ、と心底驚かされます。この手順が公開されていなければ、このサイコンは「価格は安いけれど、STRAVAと連携できない!という致命的なネガを持ったサイコン」という地位に甘んじていたことでしょう。
まとめ的な何か
Strava連携の部分だけは、外部情報無しでは解決不可能。ほかにも、躓いたところはあちこちにありました。なんですが、最終的には、まぁなんとかできています。
そして、そんなGPSサイコンが、約3,000円という驚異的な価格。サイコン本体に加えてスピード、ケイデンス、心拍の各センサーを新規に購入したとしても、トータルで約1万2000円です。
▼これだけ揃えて、約1万2000円ですよ!?
こんな出費でGPSサイコンが普通に使える環境が手に入っちゃうって、今のサイクリストの皆さん、恵まれすぎてませんか??
昔はGPSの軌跡データを取るには、サイコンとは別に「GPSロガー」を買って持ち運ぶしかありませんでした。SONYのGPSロガー「GPS-CS1K」を愛用していましたが、今にして思えばGPSログ取得用の機材を別途持ち運ぶのって余計な荷物が増えてるだけ。
しかもライドから帰ってくると、PCと有線接続してデータを吸い出してから、いちいち専用ソフトで加工してようやく軌跡が見られるように…って、面倒なことこの上ありませんでした。
▼DynaPackの上に乗っかってる白い物体が、SONYのGPSロガー「GPS-CS1K」。
それに電源スイッチ入れ忘れるとか、ロガーを持ち出し忘れるとか、走行中に紛失するとか、まぁ、いろいろやらかしましたよ…ええ…(遠い目)。
それが今じゃどうですか。必要な機材は高機能なGPSサイコンだけ。ライドの後はスマホ連携で、心拍やスピードとも連動したログデータがStravaに自動アップロード。瞬く間に地図とリンクした走行データがどこからでも閲覧できて、過去のデータも全部保存されてる。最高じゃないですか!!
と、思わずGPSログ老人会を開催してしまいそうな衝動に駆られるほど、このコスパと使用感は衝撃的でした。
たとえば、初めてスポーツバイクを買って、一緒に買う1台目のサイコンとして購入するならこれ以上の選択肢はないのではないでしょうか?
そりゃ精度がGarminほどじゃないでしょうし、画面の表示だってカスタマイズ不可です。でも、そんなものは圧倒的なコスパの前には些細なことに過ぎません。そこが不満ならGarminでも動画が撮れるGPSサイコン、Xplova X5 EVO(オーナーの贔屓目が多分に混入した選択肢の提示)でも、別の選択肢はいくらでもあります。
この製品が、GPSサイコンの裾野を広げて行ってくれることを、願って止みません。
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