GPS・サイコン製品レビュー

XOSS G2を使ってみた:第2世代モデルは先代からどう進化したのか? 良いところと微妙なところ

今年の春、低価格GPSサイコンとしては日本で最も人気があると思われるXOSS G+(ANT+センサー対応モデル)とG(センサー非対応モデル)それぞれに、後継製品が登場していました。XOSS G+の後継は「XOSS G+2」または「XOSS G+ Gen2」、XOSS Gの後継は「XOSS G2」または「XOSS G Gen2」などと呼ばれるようです。

XOSS G2

筆者はこれまでXOSS G+を約4年使ってきましたが(今でも壊れずに現役)、センサー非対応のXOSS G2を買い増して使いはじめたので、初期使用感を書いてみます。結論の一部を最初に書くと、良くなったところは確かにある。しかし旧モデルのほうが好みだ、という人もいるかもしれない。という印象を持ちました。

先代モデルとの比較

私は旅行用の自転車で使おうと思ったので、今回はスピード・ケイデンス・心拍センサーに対応しないシンプルな「G2」を選びました。ペーパースペック上は、筐体の大きさ・重量ともに「G2」も「G+2」も同一であるように見えますが、この記事でご紹介するのはあくまで「G2」の印象ですので、その点ご留意ください(G+2を所有していないため)。

端子がUSB-Cに変更されたこと、駆動時間が若干伸びた(ように見える)ことのほか、大きい違いは画面サイズが挙げられます。下の写真は左が新製品G2で、右がG+の初代モデル。ディスプレイ部分が明らかに大きくなりました(操作ボタンをサイドに移動させることで実現できたと思われる)。また、画面上部には時刻と気温が、右上には勾配が常に表示されるようになっています。

XOSS G2

XOSS G2の実測重量は42gで、筆者所有の先代XOSS G+(※XOSS Gではない)は50gです。恐らくXOSS Gと比べてもより軽くなっていると思います。下の写真は、上がXOSS G2で下がXOSS G+。新型XOSS G2のほうがボテッと太っているように見えますが、実測するとスタックハイトは完全に同じで、さらに全長は新型XOSS G2のほうが短いです。

XOSS G2

つまり、先代モデルよりも軽量・コンパクトになった上で、なおかつ画面が大きくなっているのです(新G2と旧G+の比較なので念のためご注意)。この点はやはり素晴らしいですね。

視認性について

では実際に使ってみた感じはどうでしょうか。実は、上で紹介した画面の比較写真で気付かれた方もいると思いますが、XOSS G2の画面はXOSS G+よりも「少し暗く」見えるのです。少なくとも筆者所有個体を比較すると、私の目にはそのように見えます。ライド中に眺めていても最初は「あれ、ちょっと暗くなった?」と感じました。

XOSS G2

暗い、というより、コントラストの問題かもしれません。私には旧XOSS G+のほうが見やすいと感じられます。しかし視認性が「悪い」かというと、悪いとまでは言えない印象。ただ採用されている液晶は、G+/G時代のものと明らかに違うようです。

XOSS G2

ちなみに写真でG2の数字表示にムラがあるように見えるのは、カメラで撮影した時のシャッタースピードとXOSSの画面のリフレッシュレートの関係に原因があるように思われ、肉眼ではこのような色ムラは見えません。しかし旧型XOSS G+ではどんなシャッタースピードで撮影してもこうした色ムラは見えなかったと思います。

恐らくバッテリー駆動時間とこのディスプレイ表示品質と何か関係があるのかな、と推測しました(根拠はない)。先代モデルを使用したことのない方には気にならないとは思いますが、好みが分かれるかもしれないところです。

一方で夜間のバックライト表示については、この新型G2のほうがはるかに明るく感じます。これは長所。逆に、バックライト非使用時は、旧型G+のほうがコントラストが高くて見やすい。夜間走行メインなら新型のほうが活躍しそうです(なおバックライト設定は、タイムゾーンによる自動作動・常時点灯・OFFから選べます)。

時刻と気温の表示はありがたいですね。これが小さすぎて見にくい、という意見もあるようですが、本当は老眼鏡が必要になった視力なのにまだ使っていない筆者には、まだギリギリ時刻と気温はチラ見で把握できています。しかし、この画面スペースを考えると時刻と気温は確かにもっと大きく表示してくれたら嬉しかったとは思います。

精度など

各種精度について。

  • 衛星の「つかみ」は、筆者使用環境(高層ビル街・頭上を枝が覆う樹林を含む)では先代XOSS G+より特に速くなったとは感じないが、少なくとも遅くなってはいない(遮蔽物があるとどちらもつかみは速くはない)
  • 気温表示は2〜3度低く出ることが多いと思うが(実際以上に高い気温にもならないとは感じる)、大まかな環境の把握には参考になるレベル
  • 傾斜の表示は、少し誇張されて出る印象がある。6%の坂なら8%とか、14%くらいが16%と出たり、等々。ただ、細かく調べてはいない(この製品にはそこまで要求していない)ので、あくまで主観・印象です

ライドの記録についても、先代XOSS G+と大きく変わった点はないかなと感じています。下は電波状況が非常に悪い林道での記録ですが、3000円前後のGPSサイコンはどれもこんな感じです。

XOSS G2による走行軌跡

下も頭上が木々の枝葉で遮られがちな林道での記録ですが、曲がり角、特にスピードが出ている場合の記録は大きくずれるようです。こういう地形でより正確なデータを取得したい場合、複数の周波数帯を利用するマルチバンド対応のGarmin製品を使うしかないでしょう。

XOSS G2による走行軌跡

駆動時間は正確に計測していませんが、2日間にわたり、合計で16時間以上つけっぱなしにしておけました。ただし一時停止モードで長時間の休憩を含む、主に昼間の走行。公称値では最大28時間駆動。

セットアップは、サイコン本体で行えるのはタイムゾーンとkm/mileの切り替えのみ。タイムゾーンは初期状態で9:00になっているので、日本なら設定なしですぐに使いはじめられます。それ以外のビープ音ON/OFF、一時停止モードの停止といった機能は、スマホのXOSSアプリで設定します。

切り替えられる画面は以下の3つ。

  1. 現在スピード・タイム・距離
  2. 平均スピード・標高・消費カロリー
  3. 最大スピード・獲得標高・オドメーター

データフィールドのカスタマイズ機能はありません。走行データは従来通り、XOSSアプリでの同期を経てStravaにアップロード可能。オドメーターのリセット機能がないところも先代製品と同じです。

初代モデルの魅力は色褪せない

実際に使いはじめてみて、XOSS G2の時刻・気温・傾斜の常時表示はとてもありがたく、大画面化されたところも満足。夜間のバックライトも良し。しかし昼間での視認性については、私の感覚では旧型XOSS G+のほうが見やすいと感じます。「第2世代で全てが良くなった!」という感じではないかな、というのが私の今のところの感想です。

写真では少しわかりにくいかもしれないのですが、液晶の表示の「濃さ」は先代モデルのほうが上です。傾けるとはっきりわかるので、新型G2/G+2を使う時は、設置角度を少し工夫したほうが良いかもしれません(水平に置いた場合、先代モデルのほうがやはり見やすい)。太陽光線が強い時に、大きい差が出てきます。

ただ、初代も第二世代モデルも価格的に極端に大きい開きがないことを考えると、初代製品はゆっくりフェードアウトしていくのでしょうか(先代は流通在庫のみになるのかな?)。

いずれにしても、既にXOSS G/G+を所有していて満足しているという方でしたら、「積極的に買い替える」必要はあまりないかなという気はします。先代製品未使用者の方なら、迷うところでしょう。また、大画面化されたことを考えると、センサー対応のG+2のほうが心拍やケイデンスの表示などはより見やすくなるかもしれないとは思います。

▼ 新型のXOSS G2/G+2はこちら(※現在流通状態があまり良くないらしく、品切れの時は表示されない場合があります。G2は特に品薄のようです)

▼ 先代のXOSS G/G+はこちら

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

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