ドイツの小物メーカー、Cinq(なぜかフランス語で数字の5の意味)から面白い新製品が出ました。ステムのトップキャップのかわりに設置するもので、ハブダイナモからの電源をGPSサイクルコンピューターやライト、スマホなどに給電・充電できる製品です。
公式 Plug5 Pure Bicycle USB-C Charger | Cinq
ほぼすべての1 1/8コラムフォークで使用可能
写真左下がその新製品「Cinq Plug5 Pure」です。ほぼすべての1 1/8コラムフォークに装着可能。これ単体ではバッテリーを内蔵していないのですが、USB-Cでハブダイナモからの電流をデバイスに渡せます。オプションで「Smart Power Pack II」やそれを含むキットもあり(写真右下)、このバッファーバッテリーに充電しておき、そこからデバイスに給電することもできます。
トップキャップが回転するのでUSB-Cポートを隠せます。そのため使っていない時に雨やホコリの侵入を防げます。ただしコネクター自体は防水仕様ではないので注意が必要とのこと(ここだけちょっと残念ポイント)。
ヘッドセットのプリロード調整も通常のアヘッドステムと同じ手順でやれるようになっています。またオプション品の「Smart Power Pack II」にはLEDフラッシュライトとバックアップ用リアライト・SOSフラッシュライトも搭載されており、充電は時速8km/hから可能です。
Plug5 Plusの後継製品。バッテリーをモジュール化
この「Cinq Plug5 Pure」は、同社の「Plug5 Plus」の後継製品です。「Plug5 Plus」はバッファーバッテリー一体型で、そのバッテリーはステアリングコラムに内蔵する必要がありました。そのため特定のコラム径ではインストールできなかったり、コラムが短くても使えないという欠点があったのですが、バッテリーをモジュール化することでそれを解消したものとなっています(Plug5 Plusも併売中)。
注意点としては、ハブダイナモからのライトへの給電とデバイスへの給電はパラレルなので、両方を同時に使用するとどちらも給電量が減ります(そのためどちらか一方のみ交互に使うことが推奨されています)。
またハブダイナモからのケーブルがステアリングコラムの中を通るので、ダイナモ対応のフォークが必要になることです。
しかし最近の旅系バイク、アドベンチャー・グラベルバイクではフォークにダイナモ用ルーティングを備えたバイクも増えてきています。たとえば最近の記事で紹介したBombtrack Hook EXT TiやSurly Disc Truckerもハブダイナモ対応です。
なお最大700mAまで対応。重量はPlug5 Pure単体で50g。対応気温は-15°C〜60°C。自転車ツーリングでは便利に使えそうなアイテムです。オプションのバッファーバッテリーSmart Power Pack IIはハンドルに装着しますが、旅系バイクでは特に邪魔ということもないでしょう。
価格はPlug5 Plus単体が€159.00。Smart Power Pack IIが€99.00。その2つとケーブル類のセットが€239.00で、Cinqのサイトから購入できます。支払いはPayPalで、発送先は日本も選べるので個人輸入できそうです。
調べたところCinq製品は国内での取り扱いはないようですが、ドイツのBIKE-COMPONENTSやUKのSJS Cyclesが扱っているので興味がある方はそちらのサイトもウォッチしてみると良いかもしれません。
俺の自転車、ハブダイナモないよ! という方はAnker PowerCoreをフロントバッグやトップチューブバッグ、ステムバッグに仕込んでデバイスに給電しましょう(笑)。文明が近くにあるならこっちのほうが便利なのだろうか…