こんにちは。高宮紗…すみません、すみません。CBN Blog駄文担当、nadokazuです。
ついさっき年が明けたと思ったら、もう年末。時の流れの速さには、恐れおののくばかりですが、今年もまた充分な検討と情報収集を重ねたうえでの慎重な選択による賢い買い物…と真逆のアホな衝動買いばかりをを繰り返してきました。
まるで成長していない…。
そんなわけで本稿では、皆様のよき反面教師となるよう、今年衝動買いした品々の数々をご紹介してまいります。
10位 Apple iPhone11 Pro Max
「自転車関連用品」がタイトルなのに、いきなりスマホかよ!と、思わなくもないですが、スマホって折り畳んだ地図やGPSロガー、修理方法のメモを電子化したものです。思いっきり自転車関連用品ですよね?
それまで使っていた7Plusでも、何ら不足を感じていませんでしたが、息子にねだられて家族全員で11Proに機種変してしまいました。私、甘々のダメ親です…。
Pro Maxは厚さも重さも増していて、ベッドで横になりながら「某リズムアクションRBG」に興じていると腕の疲れが明らかに違います。「自転車用品としては、駄目な方向に振れてしまったモデル」と言わざるを得ません。
▼ホームボタンカムバーック!!
なんですが、その重量と厚みの増大分を補ってあまりあるのが、「カメラ性能の向上」です。広角、標準、望遠の3つのレンズを装備して、レンズを取っ替え引っ替えするのと同じように撮影を楽しめます。
個人的に気に入っているのは、広角レンズの装備と「ポートレートモード」の進化。
特に後者は、旧世代のモデルとはもはや別モノ。なにしろテーブルフォトでは、カメラが食べ物の輪郭を認識して、背景をぼかしてしまいます。ピントが合っている部分とボケた部分の境界もかなり自然に処理されていて、スマホ画面では絞り開放で撮った一眼の写真とパッと見の判別が困難と言えてしまうほど。
じっくり見ると、ボケの処理に不自然な部分は見つかりますが、間違い探しレベルで自然な仕上がりです(個人の感想です)。
▼ポートレートモードおそるべし
また、広角レンズのほうも、今までとは明らかに違う「これスマホで撮ったの?」と思えるようなパースの効いた写真が撮れてしまいます。
▼スマホでこんな表現ができるとは
今までは、ライドに出かけるなら「カメラを必ず持って行く」のが、個人的な信条でした。
ですが、iPhone11 Pro/Pro MAXのカメラがあれば、コンデジを持ち運んで得られる「撮る楽しみ」のレベルはスマホ単体で全然満たせてしまう。そうなると、「カメラを持ち出さずに、荷物が減らせる」というメリットの大きさの方が際立ってきます。
ホームボタンが無いことで、使い勝手が大幅に悪化した部分はありますが(特に起動や決済絡みの操作)、もうカメラだけでそこは諦められてしまっている、という感じです(異論は認めます)。
9位 Anker PowerCore Lite 10000(モバイルバッテリー)
スマートフォンはもちろんですが、愛用している電力大食らい動画撮影機能付きサイコン「Xplova X5 Evo」を継ぎ足し充電しまくる必要があるので、モバイルバッテリーはライドに欠かせない持ち物です。
これまではスティックタイプを愛用していましたが、容量に絶対的な安心感を得るにはいくぶん役者が不足気味。とはいえ、デカくて分厚いバッテリーは可搬性に課題ありまくりです。
そこで本品。バックポケットにスッキリ収まる薄型デザインでありながらも、かなり安心感のある容量(10000mAh)を確保できます。
▼すでにキズだらけ
「Xplova X5 Evo」を何度も充電しながら走る100km超のライドに使っても、帰路でスマホが充電できちゃうだけの余裕がありました。
いまは新型が出ているみたいですね。
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8位 SHURE SE215 Special Edition(Bluetoothイヤホン)
長距離ライドのあと、帰宅するために輪行していたときのことです。
自席の近くに座っていた方が、手持ちのタブレットでコンテンツを鑑賞し始めました。これだけなら普通なのですが、普通でないのが「音声」。その…出てるんですよ…スピーカーから。
ここ…日本国内で、JRの特急列車の車内…ですよね? 自分が異世界に転生でもしたのかと思いましたが、やっぱり違うようです。
隣席の奥様は、見て見ぬ振り。「お子さんにこんな父親の姿を晒していいの…?」とか思わずにはいられませんが、自分とは異なる常識の世界で日々を送られているのでしょうね。
やかましい時間は、その方が車掌さんに注意されるまで続いたのですが、ライド後の列車内にはこんな思いをさせられる斜め上のリスクがあるのだ、ということを学びました。
というわけで、その日から「イヤホン」が輪行ライド時の必需品に加わっています。
完全ワイヤレスのモデルも検討したのですが、ケースがかさばるのが気になりました。充電切れリスクを考えると、ワイヤーありのモデルの方が結局は荷物の容量を減らせる。というのが、個人的結論です。
そうなったら、あとは「見た目」。ボンダイブルーiMacユーザの懐古趣味を直撃するスケルトンデザイン採用が決定打となり、本機の購入に至りました。音は普通に悪くないと思いますし、接続がブチブチ切れるようなことも皆無。イイ感じです。
▼スケルトン、流行りましたなぁ…(遠い目)
あと同社のイヤホンは、耳の後ろにケーブルを回す「シュア掛け」という独特の方法で装着するのが正式らしいですが、この辺は詳しい方に聞いてください!
7位 #チャリと来た。道具店 ブロンプトンのくつした
今年最大の衝動買いは、「ブロンプトンCHPT3 V2」。その惨劇のトリガーを引いた最大の要因が、このブロンプトン用ペダルカバー「ブロンプトンのくつした」になります。
個人制作の用品は市販品と違って、当然ながら安定供給が担保されていません。ということは「手に入れられるときに手に入れないと、もう手に入らない」という可能性が極大です。
作者さんのファンだったこともあって、ブロンプトンを持っていないのに、ブロンプトン用品を思わず購入してしまいました。
▼ペダルカバーからブロが生えた(実話)
それにしても、まさか…そこから本当にブロンプトンが生えてくるとは…。こんな結末を、誰が予想し得たでしょうか。くつした…恐ろしい子!
6位 「おりたたぶ」1巻
世紀末自転車漫画や、ゆるふわ(詐欺)ロングライド自転車漫画、どうぶつ自転車漫画にグルメライド自転車漫画(早期単行本化猛烈希望)などなど、商業誌で連載される自転車漫画もずいぶんと多種多様になってきました。
読んで楽しむことしかできない「持たざる者」としては、こうした自転車関連コンテンツの充実は嬉しい限りです(同時に、南鎌倉の終了が残念でなりませぬ…)。
そして、ここにきて今度は「折り畳み自転車漫画」という、ずいぶんニッチなところを攻めてきたニューカマーが登場しました。
詳細は「読めばわかる」としか言い様がありませんが、坂道で脚をついてもモヒカンの人にパーツを奪われたりしないし、夜通し伊豆まで走らされたりもしない、とてもとてもやさしい世界が展開しております(ただし、亀老山には登らされる模様)。コレは良いモノだ…。
狭小集合住宅住みなので、書籍は専ら電子版を購入しています。なんですが本作のKindle版は「カラーページをモノクロで掲載」という電子書籍のメリットをガン無視した仕様になっています。マガポケ版はカラーなのに!!
▼左がマガポケ版、右がkindle版。モノクロ収録ゆるすまじ
この点だけには、思い切り苦言を呈したいです。
あと、ドロップハンドルの折り畳み自転車は、タルタルーガだけじゃなくてTyrellも出してくれると個人的には嬉しいんだけどなぁー。
5位 シマノ105クランク FC-5703
今年最大の衝動買いである、ブロンプトンCHPT3 V2は比類無き輪行性能で、自転車の楽しみを限界突破させてくれました。
なんですが、気になるのはその走行性能。平坦でも坂でも、なんかこうペダリングに引っかかるモノ(心理的な)を感じてしまうんですよね。
そんなとき「1段分、走りが軽くなる」「最終入荷」とショップのブログに書かれているのを見て、思わず交換をお願いしまいました。
交換後は明らかに走行時のストレスが軽減されていて、「我が衝動買いに一片の悔いなし!」です。実際、ヤビツの登坂タイムも誤差とは言い切れない範囲で短縮されてしまいました。「1段分」が大袈裟でない交換効果があると、個人的には認めざるを得ません。
▼まさか、これほどとは…
ブロンプトンの駆動系に手をいれるのは、廃人への第一歩。明らかな危険行為(物欲的に)です。とはいえ、これは実にイイ買い物でした…。次は…ホイールかな…(違)。
4位 fi’zi:k ANTARES OPEN R3/ANTARES VSX
今年の夏、fi’zi:kのサドル判定アプリ「SPINE CONCEPT EVO(今はなぜかダウンロードできない)」の判定結果をもとに、長年愛用していたアリアンテから、アンタレスへ移行しました。
座った感じは大きく変わりましたが、それで長距離乗ったときに尻の痛みが消えたか?というと、消えていません。ペダリングのしやすさに大差とかも無いです。
もしかして移行のメリットって「見た目がちょっとスッキリした」だけ…?
▼ブロンプトンに取り付けたR3 OPEN(ラージ)
▼LOOKにはVSXを装着
とか思ったりしたのですが、このサドルで横浜から直江津まで走り切れてしまいました。またその座り心地は、ブロンプトンに装着されていた限定モデル専用デザインのサドル(Fabric Scoop)をあっさり交換してしまうだけの動機になっています。
3位 4IIII PRECISION 2.0 3D パワーメーター ULTEGRA 6800
ネットや雑誌の記事をいくら読んでも、スマートトレーナーを購入した自転車店の店主さんにお話を伺っても、さっっっっっっっっぱり理解できなかった「出力」という概念。
ですがZWIFTしていて、踏み込みの強さに応じて左上のW数がリニアに変化していくのを見て、ようやく腹落ちしました。
というわけで、バーチャルで走りまくっているときには、もはや「速度」よりも「出力」のほうが気になる数値になってしまっています。
そうなると、実走しているときも出力を見ていたくなるのは、自然の摂理ですよね。
▼自然の摂理には従わざるを得ない
あ、だからといって、パワーマネジメントによるプログラムでトレーニング!とか、そんなことは全く考えてません。下記の記事にも書いたとおり、限りある脚力の温存装置としてたいへん有効に活用させていただいております。
2位 XOSSアームバンドハートレートモニター
シビアな心拍計測をするようなライドはしていないですし、今後もする予定はありません。そうなると、心拍計に求めたいのは、脱着の手間のかからなさや装着中のストレスの低さになります。
それを実現してくれそうな二の腕に装着する心拍センサーに興味はあったのですが、ちょっと試してみようかな、というには価格的な障壁が高すぎでした。
なんですが、コスパ高すぎデバイスを発表しまくるXOSS社が出してきた本品のおかげで、アームバンドタイプの心拍センサーをようやく試すことができました。
装用感や心拍変化の反応に対するラグの感覚も、概ね予想と許容の範囲内。非シビアコンディションのライド用には、過不足のない性能だと感じられました。
▼スイッチ(縦長の出っ張り)も押しやすい
いずれにしても「この価格だから試すことができて、使用感の違いを実感できた」というのは、間違いありません。
XOSS社の中の皆様には、これからも手を出しづらかった高価格デバイスの高コスパ化をガシガシ推進していただきたいですね。次はLOOK互換のペダル型パワーメーターとか、どうですか…?
1位 SRAM RED eTAP
「ワイヤレス」そして「電動」。このふたつの組み合わせで実現する変速操作は、まさにロードバイクでの走行体験の「革命」でした。
▼見た目超すっきり
RDがトラブって交換修理対応となったのでコンポを一時的に紐変速へ組み戻したのですが「変速操作で感じるストレスに、ここまで大きな差があるのか!」と、改めて思い知らされています。
▼電動ワイヤレス、最高です
電動コンポはすべからく「トラブル時の応急処置の選択肢」がほぼ皆無。つまり「トラブったら即座に詰み」という、おそるべきリスクを抱えています。実際、自分はロングライドの途中でRDがトラブって、「40km以上をロー固定で走行せざるを得なくなる」という大変ヒドイ目に遭わされました(こんど記事にしよう…)。
なのですが、それでもeTAPを否定しようとは思いません。何年先になるかはわかりませんが、次にロードを買うときも間違いなく「ワイヤレス電動変速」のコンポを選ぶでしょう。
「変速操作のストレスの圧倒的な低さ」以外にも、スッキリした見た目や予備バッテリを持ち歩けば、万一のバッテリ切れにも対応可能な運用メリット。そして「RDのセッティング調整が、走行中にできる」など、気に入っている点は枚挙に暇がありません。
今年最高の衝動買いは、間違いなくこのSRAM RED eTAPです。
【番外篇】交換用チューブ(詳細不明)
「2019年に手に入れた自転車関連用品」のうち、自分にとって最も価値の高い1品。それは、1本のチューブでした。
これを手に入れたのは、夏に横浜から直江津に向かうライドの途中。
碓氷峠の手前でパンクしてチューブを交換したのですが、軽井沢を過ぎた辺りで再びパンク。予備チューブを使い切り、パンク修理キットは経年劣化していて使いものにならない、そして付近に自転車店もない。という状況に陥りました。
詰みです。完全に。
打つ手がなくなり、諦めて押し歩きしていたところ、通りすがりのライダーさんに声をかけていただきました。事情をお話しして予備のチューブを売って欲しいと申し出たところ、無償で譲っていただいて手に入れたのがこのチューブです。
あのとき声をかけてもらえなければ。そして、チューブを譲ってもらえなければどんなことになっていたでしょうか?
最寄りの新幹線駅まで10km以上の道程をビンディングシューズで押し歩きしたあとに、ライドの目標を達成できないまま撤退!という、完膚なきまでの大敗北。初ヤビツで両脚を攣って途中撤退した自転車漫画の主人公のように、帰宅後に風呂で涙を流していたでしょう。
そりゃあ横浜~直江津なんて、ガチ勢の皆さんには初級の初級もいいところ。全然たいしたライドじゃありません。
なんですが、ヘタレ自転車乗りにとっては、大袈裟でなく「人生初の一大チャレンジ」だったりします。そんなライドの途中で迎えた、「撤退・敗北が確定する瀬戸際」という状況。
それを打開できたのは、自分にとって「奇跡」としか言い様がなく、声をかけてくれたライダーさんには、感謝しても感謝しきれません。
おかげでなんとか直江津まで辿り着き、船見公園で再会してお礼とご報告ができましたが、その嬉しさと達成感たるや、まさに筆舌に尽くしがたい感情でした。
そんなわけで自分の信条には、困ってそうなライダーさんを見かけたら「絶対に」声をかける、という項目が今年から加わっています。
皆様もぜひ、誰かに奇跡を起こしてあげてください。