よみもの

2022年以降のロードバイク・スポーツバイクのトレンド予測 未来はどうなる!?

CBN BlogはAmazonアソシエイトとして適格販売により紹介料を得て、良質なコンテンツの作成とサイト運営のために役立てています。当サイト内のリンク経由で Amazonにてお買い物 していただくと、大変助かります。いつもご支援ありがとうございます

過去数年、当ブログでは自転車パーツに関する最新情報をピックアップしてお届けしています。それらを振り返りながら、ロードバイクをはじめとするスポーツバイク関連パーツの今後数年の進化をまとめて予想してみたいと思います。1〜2年で大きい変化はないと思いますが、3〜5年後のスパンで考えると、ドロップハンドル車の姿は大きく変わっているかもしれません。

チューブ

インナーチューブについてはサーモプラスチック・ポリウレタン(TPU)素材の製品が増えてきています。Tubolito以外にもSchwalbeとPirelliがこのジャンルに参戦しています。ContinentalやVittoriaあたりもこの流れに乗ってきたら、チューブはブチルでもラテックスでもなくTPUが主流になるかもしれませんね。

シュワルベの超軽量チューブ「Aerothan」がリムブレーキ対応になって登場 ライバルはTubolito?
シュワルベが2015年に発表し話題になっていた超軽量チューブ「Aerothan(エアロザン)」がこの度バージョンアップされ、リムブレーキ対応になったそうです。完全にTubolito対抗の製品ですが、果たしてその実力は!? 参考 Schwal...
PirelliがSmarTUBEを発表 サーモプラスチック・ポリウレタンチューブ戦争が激化する?
Pirelliがサーモプラスチック・ポリウレタン(TPU)素材のチューブ「SmarTUBE」を発表しました。TPUチューブはTubolitoの登場で大きく注目され、昨年秋にはSchwalbeもリムブレーキ対応版の「Aerothan」を発表し...

タイヤ

タイヤではプロロードレースの世界でチューブド・クリンチャーが採用されていくかどうかが注目されています。Roval/Specializedがサポートチームでチューブド採用の動きを進めています。利便性の高いチューブド関連製品の性能が飛躍的に上がっていくなら、ホビーライダーには間違いなく売れます。今のところ小規模な動きですが、他社もこれに乗ってくるでしょうか。

28年ぶりにチューブド・クリンチャーでツールのステージ優勝を果たしたアラフィリップ。でもチューブドを使ったのは何故? #TDF2020
ドゥクーニンク・クイックステップのフランス人ライダー、ジュリアン・アラフィリップがツール・ド・フランス2020の第2ステージをチューブド・クリンチャータイヤで優勝したことで話題になっています。 この投稿をInstagramで見る Deceu...
Bora HansgroheとDeceuninck-QuickStepは今後すべてのレースでチューブド・クリンチャーのみを使おうとしている?
ロードレース関連の情報ですが、非競技系のサイクリストにとっても気になる話題を見かけました。ワールドツアーチームのBora HansgroheとDeceuninck-QuickStepが今年中に全てのレースで「チューブラータイヤの使用をやめる...

タイヤ関連で他に注目しておきたいのがタイヤインサートです。MTBの世界ではだいぶ前からあるこの製品、ロード・グラベル用チューブレス対応製品も出てきました。Vittoriaがこの方面で頑張っている感じです。

Vittoriaがタイヤインサート「Air-Liner」のグラベル版を発表 空気ゼロでも1時間のライドが可能に
Vittoriaがグラベルホイールのサイズに最適化されたタイヤインサート「Air-Liner(エアライナー)」を発表しました。台形の緑色をした発泡体(EVAフォーム)をタイヤの内側にハメることで、適正な空気圧下でのタイヤ性能を改善するだけで...
VittoriaからAir-Liner Roadが登場 高圧でシュッと縮んでパンク時にブワッと膨らむ
Vittoriaがタイヤインサートの「Air-Liner Road」を発表しました。これまでにMTB用・グラベル用製品が同社から発売されていますが、ロード用はサイズ以外に何か違っているのでしょうか。Bikerumorが詳しくレビューしていま...

ホイール

チューブレス対応ホイールではフックレスリム採用の動きが加速しています。ホイールメーカーはフックレスのほうが軽量・高剛性・高性能で製造コストも削減できる、と謳っていますが、タイヤメーカー大手のContinentalが一貫してフックレスリムに異を唱えている状況です。

ZIPP 303 Sは台湾製造で1300 USD。フックレスリムはカーボンリム界におけるプレスフィットBB !?
ZIPPから303 Sという新しいチューブレス専用ホイールが出ました。「S」はSpeedのSで、302ディスクの後継モデルという位置付けなのですが、このホイールについては考えさせられるところが多いです。 というわけで一緒に観察していきましょ...
チューブレスホイールとタイヤにETRTO/ISO準拠ロゴが付く日が近い?
チューブレスホイールでフックレスリムを採用するホイールメーカーが増えてきています。それにあわせ、タイヤメーカーもフックレスリムとの互換性を保証するのかどうか、立ち位置の決定を迫られる状況になってきました。 この件についてBikeradarが...

もしビードが上げにくいといった運用面での問題が解消されるなら、2〜3年後にはフックレスが主流になっている可能性もありそうです。

ハンドル

プロロードレースの世界では幅の狭いドロップハンドルが流行するかもしれません。UCIがエアロ効果の高いライディングポジションを禁止したため、前方投影面積を減らすための幅狭ハンドルへの関心が高まっています。そのため奇抜なデザインのドロップハンドルが登場しつつありますが、UCIが異を唱えなければこうしたナローハンドル・ナローかつフレアなハンドルが流行しそうです。

UCIが新たに前腕をハンドルにのせるポジションを禁止
UCIが2月8日の月曜日、4月1日から適用されるロードレースの新ルールの一部をアップデートしました。その中に驚きの内容が含まれています。 出典 PART II – ROAD RACES Rules amendments applying o...
上に政策あれば下に対策あり UCIによるスーパータック禁止に新たな挑戦者が登場
UCIが安全面での理由からスーパータック・ポジションを禁止して以来、肘から先をドッカリ乗せられるエアロハンドルが出たり、クリス・フルームが「小指掴み」という新しいエアロポジションを開発したりと、UCIとプロロードレース選手やメーカーのあいだ...
最も空気抵抗が少ないドロップハンドルの握り方はどれ? - UCIルールの範囲内で
最も空気抵抗が少なくなるドロップハンドルの握り方はどれか。イギリスのAerocoachが独自実験の結果を発表しています。それによると下の「リラックスしたフード握り」を基準とした場合、UCIが禁止した「前腕でハンドルを支えるTTポジション」で...

ドロッパーポスト

また上のハンドルの件に関連して、必要な時により低い乗車姿勢を取るためのロード用ドロッパー・シートポストが登場してくるかもしれません。

UCIがロードレースでのトップチューブ乗りを禁止 するとロードバイクであのパーツが流行る?
UCIが2月4日にライダーの安全に関する規則を改定しました。その結果、今後のロードレースでは次のようなライディングフォームが見られなくなります(2:34あたりから)。クリス・フルームが2016年のツール・ド・フランス第8ステージで優勝した際...
UCIによるスーパータック禁止は誰のため? ある陰謀論を考察してみる
UCIが今年4月1日からトップチューブに座って乗る、いわゆる「スーパータック」をロードレースで禁止したことを昨日お伝えしました(下の記事)。 その記事の最後で「これからロードバイクでもドロッパーポストが流行するのかもしれない…」と書いたので...

フレーム

UCIがフレームデザインについての規制を変更しようとしています。詳細は下の記事をお読みいただくとして、2023〜24年頃にはロードバイクの姿がだいぶ変わっている可能性があります。

UCIが2021年からフレームデザインの規制を一部緩和する模様:何がどのように自由になる?
UCIが2021年からフレームデザインに関する規制の一部を緩和するという信憑性の高い情報があります。Cyclingtipsのもとに匿名の内部関係者から情報のリークがあったようです。 出典 New UCI tech rules leaked:...

3Dプリントパーツ

3Dプリントのパーツが当たり前になってきました。パーツ小物は勿論、サドルやクランク、ディレイラーパーツやフレームに至るまで今後も3Dプリント製品が多く発表されるでしょう。メーカーにとっては開発時間の短縮やコスト削減といったメリットがあります。

SRAMによる3Dプリント・チタン製クランクのプロトタイプ Autodeskとの協業で開発中
SRAMがAutoCADで有名な米国Autodesk社と協業し、新しいデザインのクランクセットを開発しているようです。下はAutodeskがYouTubeに上げている動画からの1コマですが、相当に肉抜きされた奇抜なデザインとなっています。 ...
サドルは3Dプリンタの時代へ突入 フィジークとスペシャライズドが新製品開発を発表
サドルのパッドは新しい時代に突入しそうです。フィジークとスペシャライズドがEUROBIKE 2019期間中に相次いで新しいタイプのサドルを開発中であることを発表しました。 両社とも米Carbon社の技術を使用 いずれもアメリカ・シリコンバレ...
【3Dプリント&チタン】SLF Motionのビッグプーリーの映え方がやばい
インスタを眺めていたら映え方(バエかたと読んで!w)がやばい大径プーリーを発見しました。アメリカ・イリノイ州ポーニーのSLF Motionという工房の製品です。8ヶ月ほど前の投稿なのですが、製法は3DプリンターとCNC加工、素材はチタンだそ...
仏デカトロンが3Dプリントのアルミ自転車フレームの可能性を模索 環境負荷低減のための取り組みとして
年間3,000以上ものレクリエーション製品を生み出すフランスのスポーツ用品製造・小売大手のデカトロン(本拠地は北フランスのリール)。同社は「Vision Project」を掲げており、AutoCADで有名な米国Autodesk社と協業で、A...

コンポーネント

コンポーネントではワイヤレス・セミワイヤレスの動きが加速するのは言わずもがな。今後は「ワイヤレスの利便性をどれだけ極めていくか」が焦点になるでしょう。FSAが非接触充電式リアディレイラーの特許を申請していたりします。

FSAが非接触充電のリアディレイラーを含むフルワイヤレスコンポを開発中
2016年にセミワイヤレスのロード用11スピードコンポーネント「WE」(Wireless Electric)を発表しながらも、いまひとつ影の薄いFSAですが、最近発見された特許申請文書(※特許ソースは明かされていません)によると次世代製品の...

また1xでも2xのギアレンジを実現する「2速内装リアハブ」にも注目です。このClassified 1×22ハブを搭載した完成車も出始めました。これも勿論ワイヤレスです。

ベルギーのClassifiedから1xでも2xのギアレンジを実現するワイヤレス内装変速ハブが登場予定
ベルギーのClassifiedというメーカーが内装変速ハブを開発しています。しかもグラベルロード愛好者にはかなり注目を集めそうな製品です。 Ridley Kanzo Fastのプロトタイプに… まずは下の画像をご覧下さい。これはリドレーが開...
Classified Power Shift(2スピード・ワイヤレス内装変速)搭載の完組ホイールが登場 気になる価格は?
今年の8月にお伝えした「2スピード・ワイヤレス内装変速」システムのClassified Power Shift。リアハブが2スピードのギアボックスになっており、ワイヤレス通信でコントロールするスマート・スルーアクスルで変速するという仕組みの...
独RoseからBackroad Classified 1x22が登場 あのワイヤレス内装変速リアハブ搭載完成車としては安め?
ドイツのダイレクト・トゥ・コンシューマー・ブランドRose Bikesがワイヤレス・リアハブ内装変速で話題のClassified Power Shiftを搭載したグラベルバイクを発表しました。同システムを搭載した完成車としては価格が若干抑え...

Ceramic Speedのロッド・ベアリング式ドライブトレイン「Driven」も注目です。これもワイヤレス。ClassifiedやDrivenが今後2〜3年で主流になることはないと思いますが、5年後くらいには「ひょっとして…」と思わせるところもありますね。

CeramicSpeedの低摩擦ドライブトレイン「Driven」が2日間で100万ドルの資金調達に成功
駆動にチェーンを利用しないためフリクションを低減でき、さらにエアロダイナミクスにも優れるコンポーネントとして昨年話題になったCeramicSpeedの「Driven」。本格的な量産化に向けて株式クラウドファンディングで資金調達を開始したとこ...
CeramicSpeed Drivenの現状と今後に関する開発者インタビュー
CeramicSpeedの低摩擦ドライブトレイン「Driven」が大きい資金調達に成功し、製品化が現実的なものになりつつあるニュースを下の記事でお伝えしました。その後、BikerumorにDrivenのJason Smith氏とのインタビュ...

サスペンション

ドロップハンドル車でもフロントとリアにサスペンションを搭載するモデルがだいぶ増えました。この動きは今後も加速するでしょう。グラベルバイクの人気とあいまってシートポストやステムにサスペンション機能を持たせた製品が増えるでしょう。

グラベルロードにお手軽フロントサスを入れたいなら…SR SUNTOUR GVXがあるよ!
SR SUNTOURからまもなくグラベルロード専用フロントサスペンションが発売されます。その名を「GVX」。"Gravel X"という感じのネーミングでしょうか。700Cと650Cモデル、2つ出るようです。 公式 GVX 700C - SR...
FOXがリバースアーチ・ショートトラベルのグラベル用サスペンション「RAD」を今秋にも発売か
FOXがリバースアーチ・ショートトラベルのグラベルバイク用サスペンションを開発しているようです。現在は「RAD」という名前で呼ばれているこのサスペンション、カナダ出身のMTBレーサーGeoff Kabush氏がインスタグラムでティーザー公開...
Cannondale Topstone Carbon みんな気になる。俺も気になる。
今年6月に発表されたキャノンデールのグラベルロード・Topstone Carbonをサイクルモード2019で間近で見てきました。完成車はSRAM Force eTap AXS, Shimano 105(2パターン), Shimano Ult...
Cannondale Topstone Carbon Leftyは存在しない問いへの答え? 【海外サイクリストの反応】
キャノンデールからTopstone Carbon LeftyとそのE-BIKE版であるTopstone Neo Carbon Leftyが発表されました。 最大のウリは勿論Slate以来の再登場となる片持ちのLeftyフォーク。クイックリリ...

サングラス

ついでにウェアの話題も。サングラスはここ数年、Oakley Sutroをはじめとするレトロで大きいデザインが主流でした。しかしここに来て同社から横長で縦幅が短いKatoが登場。他社も追随すればしばらくはこのデザインが流行するかもしれません。

Oakley Sutroにセミリムレスモデルの「Sutro Lite」が新登場
巨大でレトロ感のあるデザインで人気上昇中のOakley Sutroですが、新たに「Sutro Lite」が発表されています。オリジナルSutroとの主な違いはセミリムレス・フレームになっていて、下半分の視界がより広くなり、オークリーによると...
Oakley Kato カヴェンディッシュが開発に加わったサングラス新作の由来はブルース・リーが演じたあのヒーロー
Oakleyが新作サングラスKato(ケイトー)を発表しました(公式サイトでは「カト」となっています)。かなり斬新なデザインです。 Kato、というと「加藤さん」の加藤と何か関係があるのかと思ってしまいますが、実際に関係があるようです。とい...

ショップ

最後は製品ではなく製品の販売形態に関する変化です。新製品の紹介記事をお伝えしていて気付いたことの1つに「D2C(Direct-to-consumers, 消費者直接取引)」を採用するメーカー・ブランドがずいぶん増えてきた、というものがあります。

これまでは代理店や小売店を経由しており「日本人は日本のショップで買って下さい」ということが多かったのですが(いわゆる「おま国」問題)、最近はメーカー本国サイトで注文すると日本に送ってくれるメーカーが増えました。

Canyonのような完成車は勿論、パーツメーカーもD2C対応のブランドが増えました。コロナによる流通の問題や、小規模なブティック系ブランドでも使えるShopify等の通販プラットフォームの普及が関係していそうです。

ブランドが確立されているショップであれば、エンドユーザーに直販したほうが収益性が高く、ユーザーにもコストメリットがあるのは当然です。しかし代理店や小売店(リアルショップ・通販サイトとも)が苦戦することになります。小規模ブランドでもInstagramでフォロワーが多ければ、代理店を通したりショップに宣伝してもらう必要がなくなってきます。

最近ではスペシャライズドが日本での小売店を半減しようとする動きがあり話題になっていますが、大メーカーによるコンセプトストア運営もD2C化の流れの一部です。しかも物理店舗があるとユーザーへのサポートも充実させられます。

著者
マスター

2007年開設の自転車レビューサイトCBNのウェブマスターとして累計22,000件のユーザー投稿に目を通す。CBN Blogの企画立案・編集・校正を担当するかたわら日々のニュース・製品レビュー・エディトリアル記事を執筆。シングルスピード・グラベルロード・ブロンプトン・エアロロード・クロモリロードに乗る雑食系自転車乗り。

マスターをフォローする
タイトルとURLをコピーしました